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今年も、新酒を飲めるよろこびを噛みしめる
秋山都(以下秋山):今日は私たちが大好きな酒蔵のお酒をお持ちしました。北海道の「上川大雪酒造」の純米酒です。
真藤舞衣子(以下真藤):しかも地域限定酒の「神川 純米」ではありませんか。これは地元でしか販売されていないので、現地に行かないと飲めないお酒だから貴重なんですよ!
秋山:「上川大雪酒造」はふたりで北海道を旅した際に酒蔵を見学させていただき、試飲も楽しんだ思い出深き蔵元なんですよね。しかもこのお酒ね、同じく「上川大雪酒造」から出た酒かすからつくられる「粕床」とセットになっているの。
真藤:今年も酒かすが出回る季節になったんですね~(しみじみ)。
秋山:お酒をもろみから搾る際にできる酒かすが出回るということは、今年も各酒蔵が新酒を搾り始めたというサインですもんね。一般には粕汁や粕漬け、甘酒にすることが多いのかな? 大量にできてしまうので、一部肥料などにされてしまうこともあるそうなんですが、おいしいのにもったいないですよね。
真藤:この「上川大雪酒造」の「粕床」は……なんと私がプロデュースしているんです。
秋山:え、そうだったの?って、ちょっとわざとらしいか(笑)。粕漬などをつくる粕床は自分でつくろうとすると意外にバランスが難しいものですが、これは味噌や清酒などですでに調味されているから、このまま使えるんですね。少量ずつ使えるパウチタイプの包装もうれしい。
北海道に根ざした「上川大雪」の酒づくり
真藤:「上川大雪酒造」は北海道で初めての全量純米の酒蔵として 2017年に創設されたお蔵です。2020年には国立・帯広畜産大学のキャンパス内に酒蔵をつくり、大学と共同研究を進めているから“大学蔵”なんて呼ばれることも。私は発酵の料理が得意なことからお声がかかって、以前よりレシピ開発とかでお世話になっているのですよね。
秋山:現在は帯広畜産大学の学生寮(碧雲寮)から命名された「碧雲蔵」、上川町の「緑丘蔵」の2つと、プロデュースという形の函館の「五稜乃蔵」がありますが、私と舞衣子さんがうかがったのは「五稜乃蔵」でしたね。函館では54年ぶりに酒蔵ができるということで、地元のみなさんからも歓迎されていたのが印象的でした。ショップも併設されているから、いろいろ試飲させていただいて楽しかったなぁ。
真藤:今回持ってきていただいたのは「緑丘蔵」の「神川 純米」ですね。ここでは北海道産の酒造好適米「彗星」、「吟風」、「きたしずく」の3種を使って、純米、純米吟醸、純米大吟醸と、純米酒しかつくらないんです。
秋山:そのこだわりは飲み手としてはうれしいですね。飲んでみると……うん、酒米は記載がないですが、フルーティで骨格がしっかりしている印象。少しバニラみたいな感じもあるかな。これは燗にしてもおいしいかも?

真藤:私も同じことを考えてた(笑)。最近、寒くなってきたしね。燗をつけましょう。
秋山:お料理はどうしますか?もちろん「粕床」を使うから、粕漬けや粕汁かしら?
真藤:もちろんそれもおすすめなんですが、今日は洋風にポークリエットをつくってみようかと。この「粕床」はマヨネーズ代わりにポテトサラダに入れたり、ホワイトソースに加えてグラタンにしてもおいしいんですよ。
酒かすの香りが後をひくポークリエット
秋山:リエットを自分で作れるとは思っていませんでした。しかも酒かすを使うなんて斬新。
真藤:基本のポークリエットは 豚バラ肉をほろほろと崩れるくらいまで火を通し、自分の脂で固まるので、簡単。圧力鍋があれば全部で1時間で出来ちゃいます。
秋山:ほどよい塩気と、酒かすの香りで、これは燗酒とベストマッチングですね。舌に残る脂を燗酒が洗い流してくれるようで、リエット、お酒、リエット、お酒 ……という反復運動が止まりません(笑)。
真藤:毎回言ってるようですが、飲み過ぎには注意してくださいね(笑)。
「粕床ポークリエット」

材料
- 粕床ポークリエット
- 豚バラ肉 300g
- 粕床 60g
- 玉ねぎ 50g
- にんにく 1片
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩 適量
- 黒胡椒 適量
- ローリエ 1枚
- パン 適量
作り方
- 豚バラは4、5cm角に切り、塩胡椒で下味をつけておく。圧力鍋にオリーブオイルを入れて熱し、豚バラ肉の表面をコロコロと転がすように焼き固め、一度取り出す。
- 同じ鍋ににんにくと玉ねぎの薄切りを入れてしんなりとするまで炒めたら、1を入れて炒め合わせる。
- 同じ鍋に水300mlと粕床、ローリエを加え、圧力をかけて弱火で30分。火を止めて圧力が抜けたら蓋を外し、弱火で水分を煮詰める。
- 肉を取り出しフォークなどでよく割いてほぐし、残っている油と混ぜ冷やす。油が固まるので、よく混ぜ合わせる。この時、粕床を10g(分量外)加え、胡椒で味を調える。 *圧力鍋がない場合には通常の鍋で90分ほど煮る。

Photographs by Jun Hasegawa













